用語と凡例
「認知件数」「検挙件数」「検挙人員」「検挙率」は別のものを数えた別の数字です。 下の定義は警察庁の報告書PDFの「凡例」の原文です。当サイトで言い換えていません。
いちばん間違えやすいところ
検挙率は、検挙件数を認知件数で割った数とは一致しません。 原典の算式では分子の検挙件数に「当該年の前年以前に認知した事件の検挙」が入るので、 検挙率が100%を超えることがあります。だから当サイトは 原典が公表している検挙率だけを出し、自分で割り算をしません。 原典が検挙率を公表していない区分(都道府県別など)には、検挙率の欄がありません。
検挙率(%)= 検挙件数(当該年の前年以前に認知した事件の検挙を含む。)÷ 当該年の認知件数 × 100
原典のPDFではこの算式は分数で組まれています。ここでは同じ式を1行で書き直しました。 定義の文そのものは下の (8) に原文で載せています。
原典の凡例(原文)
- (1) 刑法犯
- 道路上の交通事故に係る危険運転致死傷(改正前の刑法(明治 40 年法律第 45 号)第 208 条の2の危険運転致死傷をいう。)、業務上(重)過失致死傷及び自動車運転過失致死傷(改正前の刑法第 211 条第2項の自動車運転過失致死傷をいう。)を除いた刑法に規定する罪並びに爆発物取締罰則(明治 17 年太政官布告第 32 号)、決闘罪ニ関スル件(明治 22 年法律第 34 号)、暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正 15 年法律第 60 号)、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(昭和5年法律第9号)、航空機の強取等の処罰に関する法律(昭和 45 年法律第 68 号)、火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和 47 年法律第17 号)、航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(昭和 49 年法律第 87 号)、人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和 53 年法律第 48 号)、流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法(昭和 62 年法律第 103 号)、サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成7年法律第78 号)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成 11 年法律第 136 号)、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成 12 年法律第 130 号。以下「あっせん利得処罰法」という。)、公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律(平成 14 年法律第 67 号)及び性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和5年法律第 67 号。以下「性的姿態撮影等処罰法」という。)に規定する罪をいう。
- (2) 包括罪種
- 刑法犯を「凶悪犯」、「粗暴犯」、「窃盗犯」、「知能犯」、「風俗犯」及び「その他の刑法犯」の6種に分類したものをいう。
- 凶悪犯………………殺人、強盗、放火及び不同意性交等(刑法の一部が改正(令和5年7月 13 日施行)され、強制性交等の罪名、構成要件等が改められたことに伴い、「強制性交等」を「不同意性交等」に変更した。)
- 粗暴犯………………凶器準備集合、暴行、傷害、脅迫及び恐喝
- 窃盗犯………………窃盗
- 知能犯………………詐欺、横領(占有離脱物横領を除く。)、偽造、汚職、あっせん利得処罰法及び背任
- 風俗犯………………賭博、わいせつ及び性的姿態撮影等処罰法
- その他の刑法犯……公務執行妨害、住居侵入、逮捕監禁、器物損壊等上記に掲げるもの以外の刑法犯
- (3) 重要犯罪・重要窃盗犯
- 治安情勢を観察する場合に、統計上、その指標となる犯罪として掲げるものをいう。
- 重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、不同意性交等、不同意わいせつ(刑法の一部が改正(令和5年7月 13 日施行)され、強制わいせつの罪名、構成要件等が改められたことに伴い、「強制わいせつ」を「不同意わいせつ」に変更した。)及び略取誘拐・人身売買をいう。
- 重要窃盗犯とは、侵入窃盗、自動車盗、ひったくり及びすりをいう。
- (4) 認知件数
- 警察において発生を認知した事件の数をいう。
- (5) 検挙件数
- 警察において検挙した事件の数をいい、特に断りのない限り、解決事件の件数を含む。
- (6) 検挙人員
- 警察において検挙した事件の被疑者の数をいい、解決事件に係る者を含まない。
- 検挙人員の年齢は、犯行時の年齢である。
- (7) 解決事件(件数)
- 刑法犯として認知され、既に統計に計上されている事件であって、これを捜査した結果、刑事責任無能力者の行為であること、基本事実がないことその他の理由により犯罪が成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件(件数)をいう。
- (8) 検挙率
- 認知件数に対する検挙件数の割合を百分比で表したものをいい、その算式は次による。
- 検挙率 = × 100当該年の認知件数検挙件数(当該年の前年以前に認知した事件の検挙を含む。)
- なお、検挙件数には、当該年の前年以前に認知した事件の検挙が含まれることから、検挙率が 100%を超える場合がある。
- (9) 未遂罪及び予備罪
- 特に注記がない限り、それぞれの既遂の罪に含めている。
- (10) 発生場所
- ア 「4階建以上共同住宅」とは、中高層(4階建以上)住宅、「3階建以下共同住宅」とはその他の住宅(住宅のうち、一戸建住宅及び中高層(4階建以上)住宅を除く。)をいう。
- イ 「駐車(輪)場」とは、駐車場及び駐輪場をいう。
- ウ 「学校・幼稚園」には、学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第1条に掲げる学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)、同法第 124 条の専修学校及び同法第 134 条の各種学校のほか、その実態が幼稚園と同視されるような保育所を含む。
- (11) オートバイ
- 自動二輪車(50cc 超)及び原動機付自転車(50cc 以下)をいう。
- (12) 少年
- 犯行時又は被害時の年齢が 19 歳以下の者をいう。したがって、検挙人員に言及する場合、少年の年齢は 14 歳から 19 歳となる。
- (13) 高齢者
- 犯行時又は被害時の年齢が 65 歳以上の者をいう。
- (14) 外国人
- 日本国籍を持たない者並びに無国籍及び国籍不明の者をいう。
- なお、「来日外国人」とは、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の外国人をいう。
- (15) 暴力団構成員等
- 暴力団構成員及び暴力団準構成員をいう。
- (16) 薬物常用者
- 覚醒剤常用者、麻薬常用者、大麻常用者、その他の薬物常用者及び有機溶剤等乱用者をいう。
出典:「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(警察庁)(https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R07/r07.zuhyosakuin.htm)(2026年10月22日に利用)(報告書PDFの凡例)。原文のまま引用しています。
原典の凡例のそのほかの記述(原文)
- 本資料の分析は、犯罪統計及び実務統計による。 なお、実務統計とは、警察庁において特別調査により集計した数値をいう。
- 本資料中の構成比、被害額等については、四捨五入した数値を表記しているため、合計の数値と内訳の数値の計等が一致しない場合がある。
人口当たりの指標の分母について、原典の脚注はこう書いています。
人口は、総務省統計局の人口推計及び国勢調査による総人口(各年10月1日現在)。なお、令和7年の人口については、本統計資料作成時に公表されていないことから前年の数値を使用した。以下、特記がある場合を除き同じ。
令和7年の人口当たり指標は、令和6年の人口を分母にしています。原典がそう書いています。
当サイトの表示の決まり
「0」は原典の公表値であって、安全の証明ではない
原典の 0 は「その年にその区分で計上が無かったという公表値」です。 そこで何も起きていないという意味ではありません。はっきりした例があります。
- 原典の図表2-1-6-1の「うち人身売買」は、 認知件数が10年すべて 0 です。ところが検挙人員は令和7年に 3 です。 認知件数と検挙人員は別のものを数えているので、こうなります。
- 同じ表の「うち人身売買」の検挙率は10年すべて - です。 認知件数が0なので、原典自身が検挙率を出していません。当サイトも作りません。
- と - と 0 を相互に変換しない
原典は -(全角)と -(半角)と 0 を使い分けていますが、 この記号の意味を原典のどこにも書いていません (「凡例」「該当なし」「計上なし」「「-」」を、原典のCSV・図表索引・Excel6本・報告書PDF86ページで検索して0件)。 当サイトは原典の字面のまま出し、0 や「データなし」に置き換えていません。 掲載している42図表の値セル7,363個のうち、0 が 60個、 - が 42個、- が 54個、空欄は 0個です。
意味が読み取れる例もあります。風俗犯の「面会要求等」「性的姿態撮影等処罰法」は 平成28年〜令和4年が - で令和5年から数字が入りますが、原典の注記に 「面会要求等及び性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月13日施行」とあります。 それでも当サイトが - を「0件」と書き換えることはしません。
小数の末尾の0は原典のCSVで落ちている
報告書PDFが 20.0 と書いているセルが、CSVでは 20 です。 数値としては同じです。当サイトはCSVの字面のまま出し、小数点を足していません。 掲載分で43セルが該当します。
合計・平均・率・順位を作らない
原典が公表している数字だけを出します。47都道府県の値を足して全国を作ることもしません (原典に全国総数の行があります)。都道府県の順位は作りません。
原典自身が、分子と分母の範囲が違う「○○当たり」の図表を取り下げています (令和8年3月27日の案内、図表2-1-6-2)。 理由は「学校基本調査では、分子に対応する分母の数を正確に得られないことなどから」です。 これは当サイトが率を自分で作らない一番はっきりした理由です。
原典のCSVの指数表記
原典のCSVには、被害額が指数表記(例 1.27E+11)で書かれて桁が落ちているセルが ファイル全体で5個あります。掲載している図表では 図表2-3-7-2の3セルです。 同じ警察庁の同じ刊行物のExcel版に正確な値があるので、そこから取っています。 表では「※Excel版」と付けてあります。